フランス発のアプリ「BeReal」は、「映えないSNS」として注目を集め、日本を含む世界中で急速にユーザーベースを拡大しています。このアプリのアクティブユーザー数は全世界で4000万人を超え、フランスをはじめ欧州、アメリカ、そして日本においても若年層を中心に人気を博しています。
フランスの大手モバイルアプリ・ゲーム開発会社Voodooが、「BeReal」を5億ユーロで買収しました。この買収により、Voodooの国際的なプラットフォームと専門知識を活用し、BeRealはユーザーに向けて新機能の開発と提供を進める予定です。さらに、企業顧客に対してはオーガニックマーケティングだけでなく、広告を含む有料のマーケティング支援を通じて事業成長を図る計画となっています。
BeRealが若者に支持される理由
BeRealが支持されている理由は、加工されていない素の状態で家族や友人とのリアルな繋がりを提供することにあります。世界的に見ても、このようなオーセンティックなつながりに対するニーズは非常に大きかったと言えます。
一方で、既存のSNSはコンテンツが豊富で加工も容易ですが、そのために反対に本物志向のつながりが求められるようになっています。ユーザーは真実のつながりを求めており、それがBeRealの支持につながっていると考えられます。
日本のマーケットの位置付け
BeRealにとって、日本市場は極めて重要だと言われています。欧州や米国と比べると日本での人気が高まるのは少し遅れましたが、アプリの各種機能が充実した段階での普及となったため、日本のユーザーはBeRealをより効果的に活用していると考えられます。
実際に、日本のユーザーは他国のユーザーと比較しても、日常的にアプリを使用する頻度が高い傾向にあります。日本人が装飾を排したシンプルで真実のつながりを特に強く求めていると分析されています。
「BeReal」がブランドマーケターに提供できる価値
BeRealは、ブランドとユーザーの双方に対して、フィルターのない本質的なコミュニケーションを提供することで、真実のつながりを促進したいと考えています。このアプローチは、ユーザーが直接的にコンテンツを共有し、対話することを通じて、ブランドとの深い関係を築く機会を創出します。
さらに、BeRealを通じて、ブランドはユーザーの能動的な姿勢を利用できます。ユーザーは他のSNSのように単にコンテンツを受動的に消費するのではなく、積極的に投稿し、コミュニケーションを行います。実際に、世界中のユーザーの約半数が週に6日BeRealのアプリを開いており、そのアクティブな特性はブランドとの新たな接点を作り出す重要な要素です。
これらの特徴を生かし、BeRealブランドがユーザーとの新しい形の関係を築く手助けをしています。
現時点では、企業向けの有償の広告メニューの提供はしていませんが、7月からの開始を目指して、BeReal内で広告を掲載できるアドネットワークの導入準備を進めているそうでs。このプランについては、すでに関連する広告会社や広告主の企業に情報提供を行い、ポジティブな反応を多数得ているとのことです。
本物志向のソーシャルネットワーク「BeReal」とは？
BeRealは2019年に設立され、「本物志向のソーシャルネットワーク」というコンセプトのもと、アプリを通じたサービスを開始しました。このアプローチが高く評価され、2022年にはApp Storeのソーシャルネットワーキングアプリカテゴリーで1位を獲得し、同年、App Store AwardsでiPhoneの「App of the Year」を受賞しました。
また、日本市場においても注目を集めており、2023年11月にはSHIBUYA109 lab.の「トレンド大賞2023」コンテンツ部門で2位にノミネートされるなど、特に若者を中心に利用が拡大しています。これらの成果は、BeRealがユーザーに提供する独自の価値と、その市場でのポジションを象徴しています。
BeRealは、高度な編集やフィルターを排除し、素の姿でコミュニケーションできるSNSプラットフォームとして人気を博しています。このプラットフォームでは、ユーザーはプッシュ通知を受け取り、受け取ってから2分以内に現在行っていることを投稿するよう促されます。投稿された写真は24時間後に消え、さらに「いいね」や「フォロワー」の概念も存在しないため、ユーザーはリアルな瞬間を純粋に共有し、親しい人たちとのコミュニケーションに集中できます。このシンプルで本質的なアプローチが、多くの人々に支持されている理由です。
