2024年が終わりました。2024年は独立したてで、必死に仕事ばかりしていました。2025年は今まで関わったことのなかった人やイベント、習い事などどんどん手を出し続けたいと思う今日この頃です。
それでは今月も話題になったサービスやトレンド・デザインをご紹介いたします!
[目次]
花王、「ロリエ しあわせ素肌 もちふわfit」発売– 新CM放映&1日限定「ナプキンミュージアム」も開催

花王は、新商品「ロリエ しあわせ素肌 もちふわfit」を発売し、同日より新CMの放映を開始しました。
さらに、1日限定の「ナプキンミュージアム」を開催。ロリエの歴史を振り返る特別な企画として、多くの注目を集めました。


「ナプキンミュージアム」では、ロリエが1978年に発売されて以来の46年の歴史と、女性の歩みをリンクさせたコピーとともに、巨大なナプキンのイラスト11枚をタペストリーとして展示。視覚的にも印象的な空間が広がりました。
また、新商品「もちふわfit」を実際に触れて体感できるコーナーや、フォトスポットも設置。来場者が楽しみながらロリエの進化を感じられる工夫が施されました。
さらに、アンバサダーの二階堂ふみさんがミュージアムを訪問。その様子を収めた動画が、公式YouTubeで公開されました。


「『もちふわfit』は、仕事や育児などで忙しく、生理中でも動かなければならない女性や、長時間ナプキンを替えられない状況を考え抜いた新しいカタチのナプキンです。ただ、それを理屈で説明するのではなく、『もちふわ』という言葉から連想できるように、直感的に『良さそう』と感じてもらえるコミュニケーションをしてほしい、というのがオリエンでした。」
そう語るのは、一連のコミュニケーションを手がけたクリエイティブディレクター・石田文子氏。
制作にあたり、まず意識したのは、生理中の女性を活発に動かす表現を避けることだったといいます。
「生理中でも無理して動くべき、という誤解を与えたくなかったんです。生理の時の過ごし方は、本人が自由に決めるべきだから。
また、『クッションがフィットする』『後ろがV字』という画期的な商品スペックも、短い秒数で伝えるだけでは流されてしまうのでは?と考えました。
そこで、ロリエが長年にわたり女性の生きやすさを考え、改良を重ねてきたナプキンの“最先端のカタチ”であることを伝えようと決め、歴代のナプキンを展示する発売記念イベント『ロリエ ナプキンミュージアム』を開催しました。」(石田氏)
2022年以降、ロリエのコミュニケーションでは、ナプキンを「美しいプロダクト」として撮影するスタイルを一貫して取り入れてきました。その考え方は、ミュージアムの空間づくりにも反映され、「ナプキンが清潔で魅力的に見える、美しい展示空間」を意識して設計。
これまでのナプキンの進化を振り返る場でありながら、現代女性の視点に寄り添い、新商品の魅力を直感的に伝える空間となりました。
JA全農、「マッスル・ベーカリー」を再び開催 – 低脂質・高タンパクのパンを提供

全国農業協同組合連合会(JA全農)は、「いい筋肉の日」である11月29日から12月1日までの3日間、低脂質・高タンパクのパンを提供する「マッスル・ベーカリー」をオープンしました。開催場所は、表参道駅から徒歩1分の「ZeroBase表参道」。
「マッスル・ベーカリー」は、2024年3月に1日限定で実施されたイベントですが、大きな反響を受け、今回は3日間に拡大して開催が決定しました。
健康志向の高まりとともに、タンパク質を手軽に摂取できる食品への関心が高まる中、前回好評を博したこのイベントが再び登場します。


生乳の不需要期には、長期保存を目的としてバターやスキムミルクに加工されますが、バターの需要が堅調な一方で、スキムミルクの需要は低迷が続いています。さらに、円安や社会情勢の影響により酪農経営はますます厳しい状況に。このような背景を受け、スキムミルクの普及を目指して「マッスル・ベーカリー」が企画されました。
ショップでは、スキムミルクを使用した特製パンを販売。その中でも特に注目なのが、腹筋や大胸筋など筋肉の形をイメージした「パワー・パウダー・パン」。見た目にもユニークなこのパンを通じて、スキムミルクの魅力を発信します。
さらに、店員は筋肉隆々のマッチョ姿で接客。フィットネスと栄養を結びつけながら、スキムミルクを日常に取り入れる新たな健康習慣を提案します。
話題性抜群のこのイベントが、スキムミルクの認知拡大につながることが期待されています。
東京都、「名もなき家事」普及啓発でキャッチフレーズ入賞作品を発表 – 『範馬刃牙』とのコラボPR動画も公開

東京都は13日、「名もなき家事」の普及啓発を目的としたキャッチフレーズ募集企画の入賞作品を発表しました。
さらに、より多くの人に関心を持ってもらうため、人気格闘漫画『範馬刃牙』とコラボレーションしたPR動画も公開。異色の組み合わせによるユニークな映像が話題を呼んでいます。

東京都生活文化スポーツ局は、「『名もなき家事』あなたの声・アイデア大募集‼」の入賞作品を発表しました。
この企画では、「名もなき家事」に関するエピソード、キャッチフレーズ、ネーミング案を募集。「キャッチフレーズ部門」「ネーミング部門」の選考会では、4名の審査員による審査が行われ、キャッチフレーズ3作品、ネーミング5作品が選出されました。
「名もなき家事」とは、「具体的な名前は付いていないが、生活に欠かせないちょっとした家事」を指します。この言葉は、大和ハウス工業が2016年に提案した「家事シェアハウス」プロジェクトの中で、同社マーケティング室 上席主任の多田綾子氏によって名付けられました。
東京都は今回、キャッチフレーズ部門の入選作品のひとつ、「小さな気づきが 大きなきずなに」を活用したPR動画を制作。さらに、話題性を高めるため、人気格闘漫画『範馬刃牙』とコラボレーションした特別映像を公開しました。
異色の組み合わせによるインパクトのある動画が、「名もなき家事」への関心を高めるきっかけとなりそうです。

累計発行部数1億部超の人気格闘漫画『刃牙』シリーズ。その見どころのひとつは、主人公・刃牙と父・勇次郎による“家族の物語”です。
今回のPR動画では、そんな父・勇次郎が刃牙に「ごみ捨て」について指導。単にごみを捨てるだけでなく、
・収集日を意識すること
・ごみを集めること
・ごみ袋をセットすること
といった、ごみ捨ての前後にある細かな作業——つまり、「名もなき家事」に目を向けることの重要性を説いています。
動画を通じて、「名もなき家事」に気づき、共に行動することの大切さをユーモラスに伝える内容となっています。
2023年に都内在住の男女5000名(未就学児を持つ男女4000名、18歳~69歳の男女1000名)を対象に実施した「令和5年度 男性の家事・育児実態調査」では、「名もなき家事」の分担状況が調査されました。
アンケートでは、「トイレットペーパーや洗剤を補充・交換する」「掃除機にたまったゴミを捨てる」など、4つの具体的な家事について、以下の3つの選択肢から回答してもらいました。
「自分がやっている」
「配偶者がやっている」
「夫婦で分担している」
すると、男性は「自分がやっている」「夫婦で分担している」と回答する割合が高かった一方、女性の約75%が「自分がやっている」と回答。男女の間に大きな認識のズレがあることが明らかになりました。
こうした調査結果を受け、東京都の担当者は特に男性に向けたアプローチを強化したいと考えました。また、「家事」と「格闘漫画」という異色の組み合わせが生むギャップの面白さにも着目し、男性人気の高い『範馬刃牙』とのコラボレーションを決定。
結果として、家事に関心が薄い層にも届きやすく、「名もなき家事」への理解を深めるユニークなPR施策となりました。


東京都が実施した「名もなき家事」あなたの声・アイデア募集‼には、合計2027件の応募が寄せられました。
審査を務めたのは、
・梅田悟司氏(コピーライター)
・多田綾子氏(大和ハウス工業)
・奥山雄大氏(東京都政策企画局戦略広報部)
・池野谷晃子氏(東京都生活文化スポーツ局)
の4名。
入選作品一覧
・キャッチフレーズ部門(3作品)
・「小さな気づきが 大きなきずなに」
・「名もなき家事 やさしさ広げて 愛ある家事へ」
・「知らぬコトから自分ゴトに」
ネーミング部門(5作品)
・「ぬるりひょん」(ぬるっと発生する名もなき家事を表現)
・「ごちそうじ」(食後の片付け+掃除の意)
・「あまり物グルメ」(余った食材を活用する家事)
・「キャッチャー交代」(家事をバトンタッチするイメージ)
・「取捨洗濯」(洗濯や片付けの意味を含む言葉遊び)
今回の入選作品は、「名もなき家事」への気づきを促し、家事の負担をシェアするきっかけとなることが期待されます。
JR東日本、「JR SKISKI」キャンペーン開始 – 2024~25年シーズンのスキー旅行を訴求

JR東日本は12月19日より、2024~25年シーズンの「JR SKISKI」キャンペーンをスタートしました。
このキャンペーンは、冬季のスキー旅行を盛り上げる恒例のプロモーションで、同日からJR東日本エリアの主要駅にグラフィック広告を掲出。冬の訪れとともに、スキー・スノーボードの魅力を発信しています。

2024~25年シーズンの「JR SKISKI」キャンペーンでは、俳優の出口夏希さんと青木柚さんがメインキャストに起用されました。ダブルキャストの採用は、2019~20年シーズンの浜辺美波さん&岡田健史さん以来、5年ぶり6組目となります。
今回ダブルキャストを採用した背景について、「これまでの『JR SKISKIらしい表現』を見直し、より今の若者に響く表現を目指したかった」という意図があったといいます。
ジェイアール東日本企画のクリエイティブディレクター山口広輝氏は、今回の演出について次のように語ります。
「今の若い世代は、ひと昔前よりも広告に敏感ですぐにスルーする力を持っています。男女の設定、起承転結の構成、決め台詞、音楽の盛り上げ方、コピーなど、あらゆる要素において、“広告的な都合”や“あざとさ”を感じさせないよう意識しました。」
「JR SKISKI」ならではの冬の情緒を大切にしながらも、これまでのフォーマットにとらわれない表現を取り入れ、若い世代に寄り添う新たなアプローチが試みられています。
今回の「JR SKISKI」キャンペーンでは、これまでの広告表現を見直し、よりリアルな空気感を重視したビジュアルが展開されています。
アートディレクターを務めたジェイアール東日本企画の武山範洋氏は、グラフィックの狙いについて次のように語ります。
「これまでのように主人公がカメラ目線でこちらを見つめるような演出ではなく、リアルな空気感や動きのある表現を取り入れました。そうすることで、“雪山での非日常”を感じられる世界観に仕上げています。」
2025年1月から放映予定のCMも、同様にリアリティを重視した演出が取り入れられています。特に特徴的なのは、すべてiPhoneで撮影された点。
監督からキャストへの演出も、細かく指示を出すのではなく、その場の空気を感じたまま自由に表現してもらうスタイルを採用。こうした手法により、より自然な動きや表情を映し出し、スキー場の臨場感をダイレクトに伝える映像となっています。
2024~25年シーズンの「JR SKISKI」のキャッチコピーは、「白と熱。」。歴代のキャッチコピーの中で最も短いフレーズとなりました。
この意図について、ジェイアール東日本企画の山口広輝氏は次のように語ります。
「例年のような文章形式ではなく、『白』『熱』というシンプルな言葉を並べることで、受け手が自由に想像を膨らませられる表現を目指しました。
また、映像・音楽・コピー・グラフィックすべてにおいて、押しつけがましいメッセージを排除。そうすることで、視聴者一人ひとりが“雪山での非日常の世界観”を自然と感じ取れるよう工夫したといいます。
ミニマルな言葉だからこそ広がる情景と感情。今年の「JR SKISKI」は、これまでとは異なるアプローチで、スキー場の魅力を伝えています。