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2025.1.7

11月話題になった広告、デザイン、サービスまとめ(2024)

2025.1.7

11月話題になった広告、デザイン、サービスまとめ(2024)

更新が途絶えてしまった11月。。。気がつけばもう2025年。今年は最後まで発信続けます!嬉しいことに仕事は忙しく年末はバタバタしていました。しっかり自分の時間も作りながら仕事もバリバリ行なっていきます。

それでは今月も話題になった広告、デザイン、サービスをご紹介いたします!

KUMONの新コミュニケーション「どんなもんだい!」

公文教育研究会は、公文式学習が「学力」だけでなく、「自己肯定感」も育む子ども主体の学習法であることを伝えるため、新たなメッセージ「どんなもんだい!」を発表しました。これに合わせて、俳優の上戸彩さんをブランドアンバサダーに起用し、テレビCMを中心としたプロモーションを展開。公文式ならではの学びの魅力を、多くの人に発信しています。

新しいコミュニケーションメッセージ「どんなもんだい!」には、2つの意味が込められています。ひとつは、「どんなもんだい?」と自ら問いかけることで、やる気や主体性を表す子どもの姿。そしてもうひとつは、「どんなもんだい!」と胸を張ることで、自信や達成感を表現する姿です。

今回のクリエイティブディレクションを担当した田中壮太郎氏は、「学びを通じて『自己肯定感』を育むKUMONの本質を、『どんなもんだい!』というメッセージで新たにコンセプト化しました」と語っています。

https://www.youtube.com/watch?v=wVWoqTfatZQ&t=1s

青と白のグリッドが広がる知的な世界。その中で、イキイキと学ぶ子どもたちの笑顔。そして、とまらない知的好奇心を表現したオリジナルソング——。このCMは、「新しい世界観を持った教育番組のオープニング」をイメージして仕上げられました。

クリエイティブディレクターの田中壮太郎氏は、「海外と比べて自己肯定感が低いと言われる日本の子どもたちに、自信と希望を届けたい。『KUMONワールド』を、今後もCMを通じて広げていきます」と語ります。

https://www.kumon.ne.jp/dmd/method/index.html

テレビCMの公開に合わせて、特設ページ「どんなもんだい! KUMON」がオープンしました。このページでは、KUMONが「どんなもんだい!」に込めた想いや、CM動画、関連コンテンツを掲載。公文式学習を通じて、子どもたちが「できた!」を積み重ねることで、自信や自己肯定感を育んでいく様子を伝えていきます。

パルコ、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を公開
– 細野晴臣×田名網敬一のコラボレーション

パルコは、「HAPPY HOLIDAYSキャンペーン」広告を発表しました。この広告では、細野晴臣氏の写真と、8月に逝去した田名網敬一氏のモチーフを掛け合わせたビジュアルを展開。ディレクションを手がけたのは宇川直宏氏で、細野氏の幼少期から現在までの写真を生成AIで動かす演出が取り入れられています。さらに、キャンペーンのために細野氏が書き下ろした楽曲も使用され、特別な世界観が表現されています。

https://www.youtube.com/watch?v=dhpq50B15h4&t=1s

パルコの開業55周年企画の一環として、今年で音楽活動55周年を迎えた細野晴臣氏との特別なコラボレーションが実現しました。細野氏と田名網敬一氏のコラボは今回が初めて。田名網氏の一番弟子である宇川直宏氏がディレクションを担当しています。

CMでは、細野氏の幼少期から、はっぴいえんど・YMO時代、そして現在に至るまでの写真を使用。田名網氏の象徴的なモチーフと組み合わせ、生成AIによって写真の細野氏がリアルに動き出す演出を加え、55年の歩みを振り返る内容となっています。

また、CMに加えて、グラフィックや特設サイトも展開されており、多角的に世界観を表現しています。

『ONE PIECE』最新110巻発売記念 – 渋谷に巨大広告が登場

集英社は尾田栄一郎氏によるマンガ『ONE PIECE』の巨大広告を渋谷に掲出しました。この広告は、ジャンプコミックス最新110巻の発売を記念したもの。渋谷の街を彩る大迫力のビジュアルが、ファンの注目を集めています。

未来島編が最高潮を迎えるジャンプコミックス『ONE PIECE』110巻。本巻では、天才科学者Dr.ベガパンクによって、『ONE PIECE』の世界を揺るがす衝撃の「真実」が明かされます。

これを記念し、110巻発売の特別企画として、「世界政府」という強大な権力によって「真実」が隠されてしまう体験型プロモーションを展開。映像、OOH(屋外広告)、試し読みサイトなど、各メディアに最適化しながら仕掛けを施しています。

「世界政府」による検閲で一部が隠されることで、最新巻で明かされる「真実」の重要性がより際立ち、発売への期待感を高める狙いです。

https://www.youtube.com/watch?v=EALO9RlTu7w
https://one-piece.com/op/110trial/

OOH(屋外広告)に加え、Dr.ベガパンクが世界の真実を伝えようとする特別ムービーも公開。また、衝撃の「真実」が読める謎の試し読み特別サイトも登場しました。

本企画を手がけた電通のクリエイティブディレクター・福井康介氏は、広告の狙いについて次のように語ります。

「企画全体を通して、“もしも自分も『ONE PIECE』の世界に生きるひとりとして、真実を知ろうとしたら?”と想像できるような、没入感のある体験を目指しました。不都合な真実が隠されるという仕掛けを通じて、読者の“もっと知りたい”という気持ちを引き出し、単行本を手に取ってもらいたいと考えています。」

特別サイトでは、「世界政府」によって真実が隠されてきた様子を、Webならではの仕掛けで表現。「試し読みサイト」というマンガ読者に馴染みのある形式を活かし、110巻の一部を発売前に読める場を提供しました。

一見すると通常の試し読みサイトのように見えますが、実は「世界政府」の検閲が進むにつれ、ページデータが徐々に消えていく仕様に。あえて“検閲される試し読みサイト”を制作することで、物語の世界観をリアルに体験できる仕掛けとなっています。

近鉄、「Dialogue Train」運行開始 – 特別ラッピング電車が登場

近鉄グループホールディングスは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展するパビリオン「Dialogue Theater -いのちのあかし-」への協賛を記念し、特別ラッピング電車『Dialogue Train』の運行を開始しました。万博への機運を高める取り組みの一環として実施されています。

現在、この電車は近鉄奈良駅と神戸三宮駅を結ぶ路線(近鉄奈良線、難波線、阪神なんば線、阪神本線、京都線、橿原線、天理線)で運行中。

外観のラッピングに加え、車内には窓上広告や中吊りポスターとして、乗客への問いかけが掲出されています。これは、映画作家の河瀨直美氏がプロデュースする「Dialogue Theater -いのちのあかし-」のコンテンツを活用したもので、万博での体験へとつながる仕掛けになっています。

「大阪・関西万博の開催まで半年を切る中、機運をさらに高めるため、パビリオンの協賛企業であり、地域の交通を担う近鉄さんから、ラッピング電車の実施と駅広告媒体の提供を申し出ていただきました。

また、パビリオンのテーマ事業プロデューサーである河瀨直美氏が、近鉄沿線とも縁の深い奈良県出身であることも、この連携が実現した大きなポイントです。」

こう語るのは、パビリオンの企画にも携わるクリエイティブディレクター・井口雄大氏。近鉄との協力により、万博への期待感をさらに高める取り組みが進められています。

「Dialogue Theater – いのちのあかし -」のコンセプトは、「毎日が、人類史上はじめての対話」。対話を通じた分断の解消を目指し、パビリオン内の対話シアターでは、毎日異なる問いかけをテーマに、初めて出会う二人がステージで対話を行います。そのうちの一人は、来場者の中から選ばれるという仕組みです。

今回運行を開始したラッピング電車「Dialogue Train」は、そんな対話のプロセスを体験する“プロローグ”の役割を担っています。

車両全体をパビリオンの“モデルルーム”と捉え、車内にはキービジュアルである“吹き出し”と“スポットライト”をモチーフにしたポスターやステッカーを掲出。そこには、乗客がふと考えたくなるような16の問いかけが並びます。

例えば、

「今、あなたの冒険心はレベルいくつですか?」
「いつもとちがう駅で降りるとしたら、どの駅で降りますか?」
「あなたの『こころのふるさと』はどこにありますか?」
「今日いいことが起こるとしたら、誰に、起きてほしいですか?」
日常の移動の中で、思わず立ち止まって考えてしまうような対話のきっかけをつくり、万博での体験へとつなげる仕掛けとなっています。

今回のラッピング電車のデザインを手がけたアートディレクター・川辺圭氏は、制作過程について次のように語っています。

「Dialogue Theater のシンボルを作る段階で、すでにデザインの展開まで考えていたので、車両と車内のデザインにはそれほど時間がかかりませんでした。ただ、その中で特にこだわったのが『印刷』です。

空の下を走るイエローの鮮やかさには徹底的にこだわりました。一見シンプルに見えるグラデーション部分も、実は非常に複雑な印刷工程を経ています。近鉄の皆さまの協力のもと、何度も試行錯誤を重ね、理想の色味を追求しました。」

運行開始後、この取り組みは関西圏のテレビや新聞、Webメディアなどでも紹介され、多くの注目を集めています。

また、「Dialogue Theater – いのちのあかし -」では、2025年1月25日まで対話者を募集しています。選考を経て選ばれた人は、河瀨直美氏によるワークショップに参加可能。映画制作を通じて培われた河瀬氏独自のメソッドを学びながら、対話の質を高める貴重な機会が提供されます。

現在、すでに全国各地から応募が寄せられており、万博に向けて期待が高まっています。

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