_ ON DESIGN KNOWLEDGE

On design knowledge

クリエイティブ

2026.9.28

閉幕の翌朝に、ありがとうを。JR西日本が描いた万博への感謝広告

2026.9.28

閉幕の翌朝に、ありがとうを。JR西日本が描いた万博への感謝広告

10月13日に閉幕を迎えた大阪・関西万博。その翌朝、JR西日本は万博への感謝の気持ちを込めた新聞広告を各紙に出稿しました。10月14日は「鉄道の日」にもあたり、万博に関わったスタッフや来場者、そして日々鉄道を利用してきたすべての人へ、ありがとうを届ける内容となっています。掲載されたのは、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞、交通新聞の6紙です。
この新聞広告にあわせ、JR西日本の主要駅では10月6日から、万博ラッピング車両やシャトルバス、万博会場内の様子を捉えた全4種のポスターも掲出されました。

ラッピング車両やパビリオンとともに、「名残惜しさ」を描く

ポスターのビジュアルは、万博ラッピング車両と車掌、ラッピングシャトルバスと運転手、会場内オフィシャルストアとスタッフ、チェコパビリオンのスタッフと来場者など、それぞれ“万博を支え、体験した人たち”を主役に切り取ったものです。
4枚のポスターは、万博カラーでもある赤と青のラインでゆるやかにつながる構成。さらに、新聞広告を中央に配置すると、同じラインでひと続きになる仕掛けも施されています。新聞広告はサイズが異なるため、B1サイズにリデザインした社内掲出用ビジュアルも制作され、JR西日本グループ各社で掲出されました。
JR西日本 万博プロジェクト推進室の國見篤志氏は、「万博に携わってきたすべての方々への感謝と、万博が終わることへの“名残惜しさ”を、丁寧に表現していただいた広告になりました」と話します。
企画・制作を担当したのは、JR西日本コミュニケーションズと大阪宣伝研究所。クリエイティブディレクターを務めた福島加恵氏(JR西日本コミュニケーションズ)に、企画の背景を聞きました。

鉄道がつないできた「朝」を、これからも

万博が閉幕に向かう8月初旬、JR西日本から寄せられたのは、「万博に携わってくださったすべての方々に、リアルな形で感謝を伝えたい」という相談でした。当初は交通広告を想定していましたが、閉幕翌日の10月14日が「鉄道の日」であることから、新聞広告も含めたひとつのリアルプロモーションとして企画が進んだといいます。
閉幕翌日に掲載された新聞広告には、敬礼をする車掌の後ろ姿が描かれています。その先に広がるのは、夢洲エリア。
 万博開催前から準備を重ね、185日間の特別な日々を当たり前のように運び続け、そして翌日からも変わらず走り続ける——。154年前の鉄道開業以来、脈々と続いてきた「朝をつなぐ想い。」を、まっすぐに表現したビジュアルです。
一方、10月6日から掲出された交通広告では、「Thank you for all… これまでの日々、そのすべてに。」というメッセージを軸に、4種のビジュアルを展開。赤と青のラインでつながる構成により、個々のシーンがひとつの物語として立ち上がるよう設計されています。
福島氏は、「この広告に出会った方が、少しうれしく、少し幸せな気持ちになってもらえたら。そんな思いで制作しました」と振り返ります。
実際にSNS上では、「感動した」「泣ける」といった声が多く見られ、万博への想いがまだまだ人々の中に残っていることを感じさせる反響となりました。閉幕の余韻を、感謝とともにそっと受け渡す。そんなJR西日本らしい、静かで誠実な広告事例です。

Back all