ジェイアール東日本企画(jeki)は「推し活・応援広告調査2024」の結果を発表しました。
3年目を迎えた今回の調査は、15〜79歳の男女2万4,136人を対象に実施。過去最大規模の調査となっています。
調査結果からは、「推し」の誕生日やデビュー日などの記念日を大切にする傾向が見られました。さらに、その記念日を祝う方法として、駅や街なかに掲出する「応援広告」を活用する文化が広がっていることも分かりました。
好きな気持ちを個人の中だけにとどめるのではなく、公共空間で可視化し、同じ推しを応援する人たちと共有する。応援広告は、ファンの熱量を社会に広げる新しいコミュニケーション手段として、少しずつ定着しつつあるようです。
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推し活は購買行動にも。応援広告に広がるファンの熱量
調査によると、「好きで応援しているものがある」と回答した人は全体の53.3%でした。そのうち26.3%が、「推し」がいると回答しています。
「実際に行ったことがある推し活」について尋ねた設問では、「推しが広告出演する商品を買う」が28.2%で6位にランクイン。SNSのチェックやイベント参加、グッズ購入などに続く結果となりました。
さらに、「推しの記念日や誕生日を祝う」と回答した人も28.0%にのぼりました。
こうした記念日を祝う行動に関連して、「応援広告を見に行く・撮る」と回答した人は8.4%、「応援広告を企画・出資する」と回答した人は5.3%という結果になっています。
推しへの気持ちは、SNS上での発信やグッズ購入だけでなく、広告出演商品の購買や、記念日を祝う応援広告へも広がっています。ファンの熱量が、個人の楽しみを超えて、街なかや駅といった公共空間にも表れ始めていることがうかがえます。

推しの誕生日はSNSだけじゃない。応援広告という新しいお祝いのかたち
調査によると、推しの記念日に行うこととして最も多かったのは「SNSへの投稿」でした。続いて「市販のケーキを用意する」、そして3位には「応援広告の企画・出資・見学」がランクイン。応援広告が、推しの誕生日や記念日を祝う定番の選択肢の一つになりつつあることがうかがえます。

また、応援広告の認知率は、推しの有無にかかわらず19.5%に達しました。なかでも推し活をしている人では認知率が59.0%と高く、前年から14.7ポイント増加。さらに、実際に応援広告を見たことがある人も27.0%にのぼるなど、推し活文化の広がりとともに存在感を高めています。

これまでの調査は東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の15~69歳を対象としていましたが、今回は初めて全国規模で実施。その結果、応援広告の認知度が最も高かったのは東京都で25.6%となり、掲出数も全国最多という結果になりました。
応援広告は、ファン同士で推しを応援する文化としてだけでなく、街なかを彩る新しいコミュニケーションとしても広がりを見せています。今後は東京だけでなく、全国各地へさらに浸透していく可能性がありそうです。

応援広告のポテンシャル市場は約769億円へ
同社によると、応援広告のポテンシャル市場は約769億円と試算されています。
これは、推し活市場規模とされる約8,000億円の約10%、さらに屋外広告・交通広告費の約4,338億円の約18%に相当する規模です。
2023年度の同調査では、応援広告のポテンシャル市場は377億円と推計されており、今回の調査では大きく増加したことが分かります。
推しへの気持ちを広告として可視化する動きは、ファン個人の楽しみを超え、屋外広告や交通広告にとっても新たな市場の可能性を広げているといえそうです。

「推し活」が広告を変える。広がる応援広告文化
韓国のK-POPアイドルファン文化から生まれた「応援広告(センイル広告)」は、今や日本でも定着しつつある新しい広告文化です。
その起源は、2016年に韓国で放送されたオーディション番組『PRODUCE 101』と言われています。日本では2019年、日本版『PRODUCE 101 JAPAN』の運営事務局が、公式ロゴや練習生のプロフィール写真を期間限定で使用できるようにしたことで、ファンによる広告出稿のハードルが大きく下がりました。
その後、2021年にはジェイアール東日本企画(jeki)が応援広告サービス「Cheering AD」を開始。現在では応援広告を専門に扱う広告会社も増え、ファンが主体となって広告を企画・掲出する文化が広がっています。
さらに近年では、さっぽろテレビ塔や福岡タワー、京都タワーなどで提供されている個人向けライトアップサービスを利用し、推しの誕生日に合わせてメンバーカラーでライトアップする取り組みも人気を集めています。
こうした動きの背景には、「推しへの想いを形にしたい」という気持ちだけでなく、その魅力をまだ知らない人にも届けたいというファンの想いがあります。応援広告は、ファン同士をつなぐだけでなく、新たなファンとの接点を生み出すコミュニケーションとしても機能しているようです。
実際に、jekiの調査では、応援広告を実施した後に約8割のファンが「イベント参加」や「グッズ・CD購入」など、ほかの推し活も活発になったと回答。また、応援広告を見た人の約6割が「その推しに興味を持った」と答えており、応援広告がファンコミュニティの活性化だけでなく、新たなファン獲得にもつながっていることがうかがえます。

