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2026.8.3

7月話題になった広告、デザイン、サービスまとめ(2026)

2026.8.3

7月話題になった広告、デザイン、サービスまとめ(2026)

毎日言っていますが本当に暑い!もう完全に夏です。8月はお盆に地元に帰省しますがBBQをやったり、カブトムシを探しに行ったり、釣りをしたりと“僕の夏休み”のような日々を過ごす予定です。日本の夏を満喫してきます!

それでは今月も話題になったサービスやトレンド・デザインをご紹介いたします!

ライバルだからこそ実現した。自治体広報誌の”奇跡のコラボ”

(左)座間市の広報誌(右)相模原市の広報誌

神奈川県相模原市と座間市が、それぞれの広報誌で異例のコラボレーションを実現しました。
表紙を飾ったのは、相模原市在住でプロボクシング世界3階級制覇王者の中谷潤人選手と、座間市出身で世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥選手。5月2日に対戦する両選手を、それぞれの自治体が”地元のヒーロー”として紹介しながら、一つの企画として展開したことで大きな話題となりました。

この企画を提案したのは相模原市です。
2025年末ごろ、海外メディアなどで両選手の対戦が噂され始めたことをきっかけに、「試合が実現したら、ぜひ一緒に広報誌でコラボレーションをしませんか」と座間市へ声をかけたそうです。
座間市も快諾し、正式に試合が決まったことで企画がスタート。掲載に向けて関係企業や団体との調整を重ね、3月の記者会見には両市の担当者がそろって参加し、写真の構図やアングルまで細かく打ち合わせを行ったといいます。
デザイン面でも工夫が随所に盛り込まれています

フォントの種類やサイズ、レイアウトを細かく統一し、別々の自治体が制作したとは思えないほど一体感のあるデザインに仕上げました。さらに、お互いの広報誌へアクセスできるQRコードを表紙に掲載するなど、自治体同士が相互送客するようなユニークな仕掛けも取り入れられています。

結果として、この企画は市民だけでなく市外からも大きな反響を呼びました。

座間市では約4万5,000部を発行し、「広報誌が楽しみ」「両選手を応援したい」といった声が多数寄せられ、市外からの問い合わせもあったそうです。
一方の相模原市では、通常より600部多い約14万5,000部を発行。駅のラックでは座間市の広報誌と並べて配布したところ、両誌をセットで手に取る人が続出し、ラックが空になる場所もあったため追加補充を行うほどの反響となりました。
市外からは「着払いでもいいので送ってほしい」という問い合わせも寄せられたそうですが、広報誌のため郵送対応はできず、「取りに来ていただくしか……」とうれしい悲鳴もあったといいます。

相模原市の担当者は、「広報誌の持つ力を改めて実感しました。ボクシングに詳しくない人まで巻き込みながら、地域全体で応援する空気をつくることができました」とコメント。

また、座間市の担当者も「他市との連携によって大きな話題となり、多くのメディアにも取り上げられました。広報誌の可能性を改めて感じたので、今後も新しい挑戦を続けていきたい」と話しています。

行政の広報というと情報を伝える役割が注目されがちですが、今回の取り組みは、自治体同士が連携することで”話題そのもの”をデザインした好例といえます。地域の魅力を発信するだけでなく、人を動かし、手に取りたくなる広報誌をつくる。そのヒントが詰まった事例ではないでしょうか。

認知だけで終わらせない。YOUTRUSTが描いた”利用までつなげる”コミュニケーション設計

仕事専用SNS「YOUTRUST」は新WebCM「#ユートラストはじめました」3篇を同時公開しました。出演者には令和ロマン、森香澄さん、HIKAKINさんを起用。さらに、東京メトロ表参道駅ではOOH広告「100人の#ユートラストはじめました」を展開し、あわせて全50企画からなる「春からユートラストキャンペーン」もスタートしました。
今回のプロモーションは、新年度という節目に合わせ、「この春から仕事をもっと頑張りたい」と考える人たちをターゲットに設計されています。

#ユートラストはじめました「令和ロマン篇」30秒
#ユートラストはじめました「森香澄篇」30秒
#ユートラストはじめました「HIKAKIN篇」30秒

WebCM、交通広告、特設ページ、参加型キャンペーンを組み合わせることで、認知を広げるだけでなく、サービス登録や利用まで自然につなげるコミュニケーション設計になっているのが特徴です。
WebCMは、「つながる」「ひろがる」「たのしむ」の3つのテーマで構成。それぞれの出演者がYOUTRUSTを”はじめる”ストーリーを描きながら、仕事の可能性を広げるSNSとしての魅力を伝えています。

YOUTRUST 執行役員(グロース担当)の高橋綾香氏によると、これまで同サービスは転職やキャリア形成の文脈で語られることが多かったものの、最近では社外とのつながりづくりや情報収集、新たなビジネスチャンスとの出会いなど、利用シーンが大きく広がっているそうです。

そこで今回は、「仕事専用SNS」というポジションをより幅広いユーザーに認知してもらうことを目的に、コミュニケーション全体を設計したといいます。

表参道駅で展開されたOOH広告「100人の#ユートラストはじめました」も印象的です。

PIVOTプロデューサーの国山ハセン氏やテンシャル代表の中西裕太郎氏をはじめ、20〜30代を中心とした起業家やビジネスパーソン、タレントなど100人が登場。それぞれが仕事への想いや挑戦とともに、「#ユートラストはじめました」と宣言するビジュアルを掲出しました。

著名人だけではなく、実際に挑戦を続ける多様なビジネスパーソンを起用することで、「仕事でつながる」というサービスの世界観をリアルに表現しています。

さらに同日スタートした「春からユートラストキャンペーン」では、登録者が応募できる50種類の体験企画を用意。令和ロマンの撮影現場への潜入や、ニュース解説メディア編集長の右腕募集など、仕事につながるユニークな機会を数多く展開しました。
認知を獲得するだけで終わらず、「登録してみよう」「参加してみよう」という次のアクションまで設計している点は、この施策ならではのポイントといえます。
YOUTRUST代表取締役社長の岩崎由夏氏は、「新しい挑戦やつながりが生まれる”はじまりの一歩”を後押しする取り組みです」とコメントしています。
WebCMで興味を引き、OOHで共感を生み、キャンペーンで行動を促す。複数のタッチポイントを一つのストーリーとして設計することで、「仕事を始める」「つながりを広げる」というブランドメッセージを体験として届けた好事例といえるでしょう。

「迷ったら、マンガだ。」100の問いで届ける、講談社の春キャンペーン

講談社は漫画作品を横断したキャンペーン「春のマンガまつり2026」を開催しています。2019年から毎年続く恒例企画で、これまでは書店を舞台に、抽選でプレゼントが当たるキャンペーンとして展開されてきました。
2026年はその仕組みを引き継ぎながら、新たに「春の問い」をテーマにしたコミュニケーションを展開。作品を読むきっかけそのものをデザインする、ユニークな取り組みとなっています。

キャンペーン期間中は、特設サイトで対象作品の第1巻を無料公開。「敬語から急にタメ語にするのむずくない…?」「マウントを取る人、どうすればいい?」「ケンカしたあと、どう仲直りする?」など、春ならではの悩みや迷いをコピーとして投げかけ、その”答え”をマンガの中で見つけてもらう構成です。

掲出した「問い」の一部。100作品のマンガから “迷い” を彷彿させる1コマを抜き出した。

2月2日から5月12日までを10期間に分け、それぞれ10作品ずつ公開。合計100作品を通して、「100の問い」に触れられる企画になっています。
あわせて、各期間で配布されるシリアルコードを集めて応募すると、好きな漫画のアクリルブロックやオリジナルレジャーシート、図書カードなどが当たるプレゼント企画も実施。読書体験だけで終わらない楽しみも用意されています。
さらに、「春のマンガまつり2026」公式Xでは、「春の問い100問100日投稿」を展開。Webサイトと同じビジュアルを活用しながら、無料公開ページへと誘導する導線を設計しました。
東急田園都市線・渋谷駅で交通広告も掲出。駅という多くの人が行き交う場所で「100の問い」を並べることで、思わず立ち止まって読みたくなるOOHとして話題を集めました。

今回、「問い」という切り口を採用した理由について、コピーを担当した博報堂の安達岳氏は次のように語っています。
「春は卒業や入学、恋愛、部活、就職など、多くの人が迷いや悩みを抱える季節です。その悩みは一人ひとり違うので、一つの言葉だけですべての人に寄り添うことはできません。でも講談社のマンガには、それぞれの人生や物語があります。だからこそ、『迷ったら、マンガだ。』というコピーのもと、さまざまな迷いに応えられるコミュニケーションを目指しました。」
特にOOHでは、100もの問いを並べることで、「どんな悩みにも寄り添ってくれる作品があるかもしれない」と感じてもらうことを狙ったそうです。

東急田園都市線渋谷駅 道玄坂ハッピーボードBでの掲出の様子。

掲出期間中は、お気に入りのキャラクターや作品を目当てに駅を訪れ、広告を撮影してSNSへ投稿するファンの姿も見られました。
作品を売り込むのではなく、「悩み」という生活者の感情を入り口にしてマンガと出会ってもらう今回の施策。コピーとコンテンツを自然につなげた、講談社ならではのブランドコミュニケーション事例といえそうです。

書く、その先へ。ゼブラが20年ぶりに刷新したコーポレートスローガン

これまでのスローガンは、2007年に制定された「Open your imagination.」。

ゼブラは新たなコーポレートスローガン「かく、その先のこと。」を発表しました。スローガンの刷新は約20年ぶり。あわせて、新ブランド「shimauma lab.(シマウマラボ)」も立ち上げ、筆記具メーカーの枠を超えた新しい価値づくりに取り組んでいくことを発表しました。
企画・制作は、電通を中心に、動画をGMO ENGINE、グラフィックやロゴをたきコーポレーションが担当しています。
今回のリブランディングの背景には、情報があふれ、人々の価値観やニーズがますます多様化する時代があります。

ゼブラが着目したのは、「かく」という行為そのもの。文字を書く、絵を描く、記録する――そうした行為は、単なるアウトプットではなく、考えを整理し、想いを伝え、新しいアイデアや行動を生み出す”はじまり”でもあります。
約130年にわたって筆記具と向き合ってきた同社だからこそ、「かく」の先にある価値まで届けていきたい。そんな想いを、新しいスローガンに込めています。
ゼブラ コーポレートコミュニケーション室の鈴木由佳氏は、「『かく』をひらがなにしたのは、”書く”だけでなく、”描く”や”記録する”など、さまざまな意味を含めたかったからです」と説明しています。
さらに、「『その先のこと。』という言葉には、ペンをつくるだけではなく、”かく”という行為の先にある人や社会にも関わっていきたいという意思を込めました。ロゴも従来のゼブラらしさを受け継ぎながら、読みやすさを意識したデザインに仕上げています」と語っています。

https://www.zebra.co.jp/corp/slogan/?tab=oc-nav-sustainability
ZEBRAコーポレートスローガンサイト
ゼブラブランドムービー「かく、その先のこと。」long ver.

今回のブランド刷新で目指すのは、筆記具メーカーという枠を超えた事業展開です。
筆圧や筆記速度、ペンの角度などを取得する技術を、医療・ヘルスケア・教育・エンターテインメントといった分野へ応用するほか、「かく」ことの楽しさや可能性を広げる「kakuwakuプロジェクト」、公式キャラクター「Hi! Mckee」を活用したIPビジネスなど、新たな取り組みも進めています。
さらに、新ブランド「shimauma lab.」では、デジタル領域を含めた新しい体験やサービスの開発にも挑戦していく予定です。
「ペンをつくる会社」から、「かくことで新しい価値を生み出す会社」へ。今回のリブランディングは、スローガンを変えるだけではなく、企業の存在意義そのものをアップデートした好例といえるでしょう。

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