2月です。最近昔のドラマをたくさん見ています。懐かしの平成ドラマも意外といいものです。ただもう20年前なんだなーと思ってゾッとしている今日この頃です。よし運動しよっ!
それでは今月も話題になったサービスやトレンド・デザインをご紹介いたします!
[目次]
“ファイト一発!”を再定義。リポビタンDの新ブランドプロモーション

大正製薬のロングセラーブランド「リポビタンD」が、ブランド理念を現代の価値観に合わせて再解釈し、新たなブランドプロモーション「リポビタンDays」を展開しています。
1962年3月、日本初のドリンク剤として誕生したリポビタンD。「ファイト一発!」のキャッチフレーズとともに、昭和の高度経済成長期から多くの人の活力を支えてきました。

今回の取り組みでは、令和の生活様式や価値観の多様化を受け、ブランドのあり方を改めて見直し。現代を懸命に生きる若者たちのさまざまな“頑張り方”に寄り添い、次の一歩を後押しする存在へとポジションを再定義しています。
背景には、情報環境の高速化や働き方・キャリア観の多様化といった社会的な変化があります。大正製薬の担当者は、「前向きに頑張る人を応援する」というブランドの原点を大切にしながら、その意味を現代に合った形へアップデートすることが狙いだと話します。
従来のイメージにとらわれず、若者の挑戦や日常に寄り添う存在としてリポビタンDを再定義することで、これまで接点の少なかった若年層から長年の愛飲者まで、幅広い世代との新しい関係づくりを目指しているそうです。
新CM「リポビタンDays(はじまり)」編では、映像制作に生成AI技術を活用。現代における多様な“頑張る姿”を描き出しています。クリエイティブディレクターを務めた蛍光TOKYOの前田康二氏は、「“中高年のブランド”と思われがちなリポビタンDが、本気で若者に寄り添うために始まったのが『リポビタンDays』です。より多くの頑張る日常を描くために、あえて賛否の声もある生成AIに挑戦しました」と語ります。
制作では通常のCMと同様に演出コンテを用意し、全体設計を行ったとのこと。AIならではの難しさもあり、編集には約2カ月を要しましたが、最終的には人の感性とこだわりを重ねて仕上げられています。
楽曲にはRADWIMPSの「君と羊と青」をアンセムとして起用。世代を超えた共感を生むクリエイティブを目指しました。

また、1月1日には晴れやかな空をモチーフにした新聞広告も掲出し、ブランドが新たなステージへ進む姿勢を社会に向けて発信しています。
特別な瞬間に力を与える存在から、日常の何気ない「Days」を支えるブランドへ。時代が求める“頑張り”の形を見つめ直しながら、世代を問わず前向きな日々を後押しする取り組みとして、今後の展開にも注目が集まりそうです。
“次の100年を、この国から。”センチュリーが担うブランドメッセージ

元日の新聞広告には、その年の企業の意思や社会へのメッセージが色濃く表れます。2026年のトヨタ自動車の元日広告では、高級車「センチュリー」が主役に据えられました。全国紙と地方紙を含む計60紙に掲載された今回の広告は、昨年の「ジャパンモビリティショー」で話題となったオレンジ色のクーペを中心に、日の出や鳳凰を思わせる緋色のビジュアルが印象的な一枚です。
トヨタは毎年元日広告を展開していますが、センチュリーを主役に据えるのは珍しいケース。昨年、独立ブランドとしての歩みを宣言したセンチュリーが、「日本の誇り」を背負っていく存在であることを改めて示す狙いがありました。

2025年の「ジャパンモビリティショー」では、センチュリーを含む各ブランドの再構築が発表されました。当日のプレゼンテーションで豊田章男会長は、センチュリーについて「ものづくりを通じて日本の心、ジャパン・プライドを世界に」とコメント。その言葉は社員だけでなく、SNS上でも大きな反響を呼んだといいます。
プレゼンでは、センチュリー誕生から半世紀以上が経った現在、日本が「失われた30年」を経て存在感を失いつつある現状にも触れつつ、「センチュリーはトヨタのブランドの一つではない。『日本の心』を世界に発信していくブランドに育てていきたい」と、オレンジ色のクーペに込めた思いを語りました。
ビジュアル制作を担当した電通のアートディレクター・中村直人氏によると、この印象的な構図は偶然から生まれたものだったそうです。当初は、画面全体をオレンジ色の布で包み込んだイメージを想定していましたが、合成を使わず一枚のスチールとして撮影したことで、布越しに光が透過し、朝焼けのような瞬間を捉えることができました。
中村氏は「この偶然生まれた一枚が、『次の100年を、この国から。』という元日のメッセージを強く印象づけるビジュアルになった」と振り返ります。

コピーを手がけた電通のクリエイティブディレクター・鈴木晋太郎氏は、「日の出のようにも、鳳凰のようにも見える緋色のビジュアルにのせて、その意志を届けたいと考えた」と語ります。「次の100年を、この国から。」というフレーズには、「日本の誇り」を掲げる意思が込められています。
1963年に開発が始まったセンチュリーは、豊田会長の言葉を借りれば「ジャパン・プライドを背負って生まれたクルマ」。その歴史を踏まえ、「センチュリー=次の100年を担う存在」と位置づけたメッセージになっています。
昨年10月のブランド発表以降、センチュリーとして初のテレビCM展開や、緋色のクーペタイプの登場など、さまざまな反響が生まれています。トヨタ自動車のブランドディレクター・黒川亜須可氏は、「日本のものづくり、ジャパン・プライドを世界に発信するクルマとして、日本人が誇りに思える唯一無二の美しいブランドへ育てていきたい」と語ります。
新しい年のはじまりに掲げられた一枚の広告には、ブランドの方向性と覚悟が凝縮されています。ビジュアルと言葉の力で「日本の誇り」を伝える、象徴的な元日広告と言えそうです。
“信念”を掲げる交通広告。『龍が如く』20周年プロモーション

セガの人気ゲームシリーズ『龍が如く』は、2025年12月に誕生から20周年を迎えました。これに合わせてセガは、1月5日から11日までの期間、東京・新宿駅にて「信念」をテーマにした大規模な交通広告を展開。ブランドムービーと連動し、単なる最新作の告知にとどまらず、シリーズが20年間描き続けてきた「美学」や「信念」という本質を問いかける内容となっています。



今回のプロジェクトの大きな目的は、既存ファンだけでなく、これまでシリーズに触れてこなかった層にも『龍が如く』というブランドの精神性を伝えることでした。
企画を担当したGEKI Inc.の氏家健吾氏は、「今回はゲームの広告ではなく、ゲームを通して追求してきた普遍的な信念を伝えることが目的でした」と語ります。そのため、物語を象徴する“言葉(台詞)”を起点に、年始というタイミングを捉えた企画にしたそうです。キャラクターはあえて後ろ姿で描き、“自分の信念に基づいて闘う人”を象徴する存在として機能させています。
コンセプトムービー「変わり続けた世界で」篇では、シリーズが描いてきた“強い信念”を、現代の若者の成長物語と重ね合わせています。18歳で社会に踏み出した主人公が、さまざまな試練を乗り越えながら、作品に登場する“信念を貫く言葉”を道しるべに成長していく20年を描いた内容です。
物語の軸となるのは、『龍が如く1』で主人公・桐生一馬が語る「自分の目で確かめるさ。人が何て言おうがなぁ。」という台詞。GEKI Inc.のアートディレクター・岸本真應氏は、「他者の評価や世間の声に流されず、自分の意思で選択して前に進む姿勢は、進学や就職、転職など、人生の節目に共通する普遍的なテーマだと感じました」と話します。この言葉を起点に、『龍が如く』の名言が人生のさまざまな場面で人を鼓舞し、決断を後押しする存在として描かれています。


セガ ブランドマーケティング部 ブランドマネージャーの間瀬美由紀氏は、「ファンの方はもちろん、これから作品に触れる人たちにも『信念を持って生きる意味』を届けたいという思いで取り組みました」とコメントしています。
年始の駅空間を舞台に、“信念”という普遍的なテーマを打ち出した今回の施策。シリーズの魅力を改めて言葉で伝える、ブランドコミュニケーションの好例と言えそうです。
“好きにすなおに”を体験する。マイメロディ50周年の企画展

サンリオは2025年に50周年を迎えた「マイメロディ」の“生き方”に光を当てた体験型展示「好きにすなおに生きてみる展 WITH MY MELODY」を、表参道ヒルズで開催しています。展示にあわせて、表参道駅では交通広告も展開されています。

本展は、「自分をほめる」「好きなものに囲まれて過ごす」「なにもしない日をつくる」といった、マイメロディの素直な価値観=“マイメロな生き方”に着目したイベントです。その考え方に触れながら、自分の“好き”を見つめ直し、より“わたしらしく”過ごすヒントを探せる体験型の展示になっています。
会場の中心に据えられているのは、長さ約30メートル、幅約2メートルの「巨大ウィッシュリスト」の懸垂幕。来場者は、48種類のウィッシュカードの中から「今年やってみたいこと」を4つ選び、カードホルダーに差し込むことで、自分だけのオリジナルウィッシュリストをつくることができます。



また、マイメロディの友だちである「ピアノちゃん」や「フラットくん」が、それぞれの視点で語る“マイメロな生き方”も紹介。マイメロディと一緒に、新しい一年を“わたしらしく”始めるためのヒントがちりばめられています。
特設サイトでは、“マイメロな生き方”をテーマにしたムービーや特別ビジュアルも公開中。さらにファッション誌『VOGUE JAPAN』では、百田夏菜子さんが語る“マイメロな生き方”をテーマにした記事コンテンツも展開されています。
キャラクターの世界観をそのまま体験へと落とし込み、「生き方」そのものをテーマにした今回の企画。ブランドの価値観を空間や参加型の仕組みで伝える、参考になる事例と言えそうです。

