冬到来です。そして今年がもう終わっていきます。毎年同じことを言っていますが一年が早すぎます。ラスト1ヶ月もりもり働いていいきます!
それでは今月も話題になったサービスやトレンド・デザインをご紹介いたします!
[目次]
試着室の中の物語。トリンプが描く、“感じる”エッセイ広告

トリンプ・インターナショナル・ジャパンがスタートしたのは、“試着体験”を一つの物語として届ける新キャンペーン「#トリンプで試着したら人生変わったわ」。
このプロジェクトでは、5人の著名人が実際にフィッティングを体験し、そこから感じた気づきを自らの言葉でエッセイにまとめています。多様なライフステージや価値観を持つ女性たちに向けて、“自分に合った下着を選ぶことの大切さ”や“心が軽くなるような新しい発見”を伝える内容です。

参加したのは、お笑い芸人のヒコロヒーさん、フリーアナウンサーで俳優の宇垣美里さん、同じくフリーアナウンサーの堀井美香さん、タレントのでか美ちゃん、そして文芸評論家の三宅香帆さんの5名。それぞれが試着室で感じた変化や想いを、飾らない言葉で表現しています。
エッセイ全文は特設サイトで公開され、その一部は広告コピーとして店頭POPやOOH広告にも展開。
さらに、15秒のショート動画や、4名の執筆者本人による“エッセイの朗読音声”も公開され、文字だけでなく“声”でも体験を伝える試みが印象的です。




「試着室の中はトップシークレット。だからこそ、想像の中で感じてほしい」。そう語るのは、キャンペーンを手がけたクリエイティブディレクターの戸澤麻里子氏。「撮影できない空間だからこそ、エッセイという形で“見えない体験”を言葉にしたかった。5人の女性たちが綴った文章は、どれも人生を讃えるようなストーリーになりました」と話します。
全国の直営店や百貨店、公式オンラインショップでは順次キャンペーンを展開中。10月4日からは、試着体験や購入者限定でオリジナルノベルティも配布予定とのこと。下着という“日常に最も近いデザイン”を通して、心の変化まで描き出すトリンプらしいクリエイティブとなっています。
「おはよう、未来。」万博閉幕をやさしく照らすコピーのデザイン

2025年⽇本国際博覧会協会は、「大阪・関西万博」閉幕の翌朝にあたる10月14日、全国紙5紙の朝刊に閉幕御礼広告を掲出しました。掲載されたのは、日経・読売・朝日・毎日・産経の5媒体。万博のラストにふさわしい、大きなメッセージ発信となりました。

ビジュアルに登場するのは、清々しい青空と、大屋根リング、そしてミャクミャク。
そこに添えられた言葉は「おはよう、未来。」夜の興奮が静かに明け、まっさらな朝を迎えるような、やさしいトーンのコピーが印象的です。
広告のボディコピーでは、万博が終わった“その次の朝”を静かに描きながら、「万博は終わるけれど、一人ひとりの中でつづいていく」というメッセージが丁寧に語られています。来場者の心に生まれた新しい視点や感情――それらこそが、未来を動かす小さな種になる。そんな余韻と前向きさが、やわらかな言葉で紡がれています。

コピーを手がけたのは、ライトパブリシティのコピーライター・山根哲也氏。山根氏は今回の閉幕広告について、こう語っています。
「振り返れば、万博を少しでも身近に感じる“道具のような言葉”を心がけてきました。閉幕広告は、その総仕上げです。
終わりをただ宣言するのではなく、静かに、でも確かに“つづいていく”という読後感を残したかったんです。」
「終わりだけど終わりじゃない」「始まりと言い切るほど派手ではない」という、絶妙な温度感を見つめ直しながら生まれた「おはよう、未来。」。その背景には、ステートメントとして掲げられていた「万博は、つづく。」という考えが通底しています。
大規模イベントの締めくくりでありながら、力強い号令ではなく、“静かな励まし”として未来をそっと押し出す表現。朝の光のようにやさしい、万博らしいフィナーレの広告となりました。




HELLO KITTY WEEK開幕。空間×香り×デジタルで描く「Togetherness」

サンリオは六本木ヒルズ 大屋根プラザでハローキティのイベント「HELLO KITTY’S PICNIC GARDEN」を開催しています。
今年50周年を迎えたハローキティは、次の55周年に向けて「Togetherness(つながり)」をテーマに活動を展開。誕生日の11月1日を起点に、1週間を「HELLO KITTY WEEK」として祝う取り組みも始まりました。

「HELLO KITTY’S PICNIC GARDEN」のプレス発表会に、TOMORROW X TOGETHERのBEOMGYU(ボムギュ)さんと、俳優の玉城ティナさんが登壇した。
1年目となる2025年は、「香りの体験」と「ピクニックのような心地よい時間」を届ける企画が特徴です。
イベント会場では、ハローキティのフェイス型ゲートをくぐると、ロンドン出身のキティにちなんだイングリッシュガーデンをイメージした空間が広がります。まるで絵本の中に迷い込んだような、やさしい世界観が印象的です。

「フレグランスエリア」では、来場者の気分に合わせた香りのミニボトルをプレゼント。
香りは「ママが作ったアップルパイ」「お庭に咲いたちいさなお花」「雨上がりのピアノの音色」「お気に入りのリボン」の全4種類。それぞれの香りが物語を持っていて、キティの“やさしさの世界”にそっと誘ってくれます。


また、イベント前日の10月28日にはプレス発表会を実施。
TOMORROW X TOGETHERのBEOMGYUさんと、俳優の玉城ティナさんが登壇し、ピクニックをテーマにしたトークを展開。
その場で“やさしいこと”をシェアできるデジタルキャンペーン「HELLO KITTY MAP」やフレグランス体験も行われました。
今回の「Togetherness」をテーマにしたプロジェクトは、日本と上海で同時開催。
上海・Raffles City Ancient Architectureでは「Hello Kitty, Hello Chill」を展開し、千鳥格子をあしらった“オートクチュールのアトリエ”風空間でチル体験を提供しています。日本・上海を皮切りに、今後はグローバルにも広がっていく予定です。
空間デザイン、香り、デジタル企画を掛け合わせ、“やさしさでつながる体験”を立体的に表現した今回のイベント。キティの世界観を、触れて・感じて・持ち帰れる形にしたクリエイティブが光る取り組みとなっています。


街に現れる妖精「コーヒィ勝山」。雪印コーヒーが描く癒しのクリエイティブ

雪印メグミルクは11月1日、「雪印コーヒー」プロジェクト『甘さですべてを受け流せ。』の第2弾として、大阪・道頓堀に大型広告「迫りすぎて受け流せないコーヒィ勝山」を掲出しました。
11月からは東京エリアでも交通広告を展開し、話題を広げています。


本プロジェクトの主役は、“受け流しのプロ”として知られるお笑い芸人・ムーディ勝山さん。
彼を「雪印コーヒー」の妖精“コーヒィ勝山”として起用し、2025年4月からシリーズ企画を展開しています。仕事や人間関係など、日常でちょっと疲れた人に向けて、「雪印コーヒーの甘さでふっと力が抜ける瞬間を届ける」ことをテーマにしたユニークな広告です。


第1弾では原宿のポスター展をはじめ、新橋・品川・渋谷駅や山手線車内で展開してきました。第2弾となる今回は、発売記念日の11月1日に合わせて大阪へエリアを拡大。
道頓堀・戎橋に登場した巨大な“コーヒィ勝山”は、まさに「迫りすぎて受け流せない」存在感で、ランドマークの一部のように街ゆく人の視線を集めています。掲出は11月16日まで。
また東京では、大江戸線・三田線・新宿線・京成本線の車内広告として11月から12月まで掲出。中吊りやドア横ポスターで「甘さで受け流す」というメッセージを軽やかに伝えています。
甘さ=癒しというシンプルなコンセプトを、キャラクターとシーン設定で楽しく表現した本シリーズ。“思わず笑ってしまうけれど、すこし心が軽くなる”——そんなブランド体験を広告として形にしたプロジェクトとなっています。
